チャプター 208

戴冠式の後、私たちは宮殿の一室に集まった。その瞬間の重みが私たちにのしかかる。ケイルの即位という壮大な儀式の余韻がまだ水中に漂っているが、それに浸っている余裕はない。やるべきことがあまりにも多すぎるのだ。

未来は不確かで、今私たちが下す決断の一つひとつが、来るべき事態を形作ることになる。海は果てしなく感じられると同時に、閉塞感も与えてくる。あらゆる方向へ広がっているのに、成すべきことの重圧で四方から押しつぶされそうだ。

私はケイルに向き直り、心からの笑顔を向けた。「今日は本当に見事だったわ。アオにとって、あなたがいてくれて幸運ね」

ケイルは感謝を示すように頭を下げたが、その黄金の瞳の奥に...

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