第二十八章

手術室は無菌状態で、寒々しく、機械の不気味な唸り声が脈打っている。空気は金属の匂いがし、消毒液やオゾンのような化学的な何かが混じっている。

頭上では一灯のスポットライトが睨みをきかせ、部屋を氷のような光で満たしている。その光はクライオチャンバーのガラス壁に乱反射し、その横に不吉に配置された解剖台を照らし出している。

背筋に寒気が走る。

マリーナはそのクライオチャンバーの中にいる。エニグマが検体を停滞状態に保つために使う、あの馴染み深い、揺らめく青い液体の中に吊るされているのだ。腕は力なく垂れ下がり、髪は銀のリボンのように周囲に広がっている。その姿は重力を感じさせず、脆そうだ。一瞬、安らか...

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