チャプター 231

たった今しでかしたことの重みがずしりと肩にのしかかるが、それを噛みしめている時間はない。脈はまだ激しく打ち、呼吸も荒いままだ。エレベーター内の空気は重く、今しがた起きた出来事の緊張と、私がやってのけたことの意味合いで濃密に淀んでいた。

最初に沈黙を破ったのはコーラだった。囁くような声だったが、その一音一音には深い驚愕が滲んでいる。「あなた……時間を止めたの?」

私は固唾を呑み、頷いた。「それから、時間を逆行させた。今頃リリー・セント・クラウドは、空っぽの冷凍ポッドのために手下たちが検査室の準備を解除していく様を眺めているはずよ」自分の言葉のあまりの馬鹿らしさに笑いがこみ上げそうになるが、室...

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