第二百五十章

この場所の廊下は、必要以上に音が響く。磨き上げられたコンクリートをブーツで踏みしめるたび、その音は地下医療棟の無菌の空気に瞬く間に飲み込まれていく。ここは他よりも冷え込み、どこまでも無機質だ。悲しみが長居することを許されない、そう定められた場所なのだ。

観察窓のついた白いドアの横を通り過ぎる。そのほとんどは暗いか、閉ざされている。きつい照明の下ですべての表面が光り、壁には微かな消毒液の匂いが染み付いている。耳の奥で、脈動が鈍い太鼓のように響いている。ウェイクとの会話で張り詰めた神経が、まだ鎮まっていないのだ。アリスタとサイロを探すために彼のもとを離れたが、じっとしていられなかった。思考が止ま...

ログインして続きを読む