第二十五章

デルフィが眉を上げる。「サプライズ?」

「ん-ふふ」私は頷く。「行けばわかるわ。でも、素敵なことよ。ただ……彼にチャンスをあげて。あなたに見せるためのね」

デルフィはゆっくりと息を吐き出した。「心の準備ができているかどうかわからない……彼が私に何を求めているにせよ」

「彼はあなたに何も求めてないわ」と私は言う。「ただ知ってほしいだけ。あなたの味方がいるってことを」

彼女は少しの間黙り込み、スクリーンの中を泳ぐ魚を目で追った。「奇妙ね。大事にされるって。本当に大事にされるってことが。研究対象じゃなく。収容対象じゃなく。哀れみの対象でもなく。これを現実だと信じていいのか、わからないの」

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