チャプター 271

研究室はオゾンと消毒液の匂いがする。冷たく唸る機械音が背景に響き、点滅する光が白いタイルの床に無機質な影を落としていた。私は入り口の敷居をまたいだところで立ち止まり、ショールの言葉が残した不安を振り払おうとしていた。彼は私を導管として見ている。レンズとして。人間としてではなく。フィービーとしてでもなく。

そんなことを考えていると、リリーがコンソールから顔を上げ、強張った、読み取れない笑みを向けた。

「来てくれて嬉しいわ」彼女はきびきびと言った。「一緒に研究を続けられると思って」

私は片眉を上げた。「いつから仲間を欲しがるようになったの?」

彼女は片方の肩をすくめ、画面に向き直ると、よく...

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