第二十七章

ポッドが私の周りで密閉された瞬間、呼吸が浅くなる。

空気が薄いからではない――そんなことはないのだ。ポッドの内部は自動調整され、空調も完備された清浄な空間だ。息が詰まるのは、リリーがまた喋り出したからだ。彼女の口から出る言葉の一つひとつが、妄想をまぶした新たな毒の滴(しずく)となって降り注ぐ。私はムード照明と最新鋭のバイオテクノロジーを備えたこの棺桶に閉じ込められ、彼女の声は、頭の中で鳴り止まない不快なノイズのように響き続けている。

私たちを取り囲む研究室は今、低い唸りを上げている――最悪の意味で「生きている」ようだ。あたり一面に、オゾンと消毒液の微かな匂いが漂う。私のポッドから彼女のポッ...

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