チャプター 282

暗闇が重しのようにのしかかる――濃密で、冷たく、無限の闇だ。

不意にそれが揺らぎ、私は「エーテル」の中へと真っ逆さまに落ちていく。

風はない。重力もない。あるのは奇妙な液状の光と、果てしない空だけ。力の奔流がリボンのように私の周りでねじれ、揺らめく。私は直感する――これは記憶ではない。過去でもない。

これは、「今」なのだ。

戦争は真っ只中だ。私はその上空に浮かんでいる。肉体はないが、思考よりも深い何かで繋ぎ止められ、引かれている。エーテルは、私が見るべきものを映し出しているのだ。

ここの海は穏やかでも静寂でもない――戦場だ。海底は険しく切り立った山脈のような海溝で、古き神々の骨と崩れ...

ログインして続きを読む