チャプター 316

ヌーの野営地への旅は、予想していたよりも短時間で済んだ。その主な理由は、ウェイクが護衛を振り切ってやろうと、あてつけのような猛スピードで泳いだからだ。彼は、ラブレースからまた金メッキの「提案」が送りつけられてきたり、絹で覆われた部屋に閉じ込められて薬入りの茶を飲まされたりする前に、目的地に着きたかったのだろう。正直なところ、彼の気持ちは痛いほどよくわかる。

私たちの護衛は、タロスという名の、背の高い魚のような男だ。宮殿を出てからというもの、彼は一言も発していない。沈黙を守るよう命じられているのか、単にウェイクとエステリスの権力争いの板挟みになりたくないだけなのかは定かではないが、おそらく後者...

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