第101章

一枚一枚、こんがりと焼き色がついて、さくさくに仕上がっている。

甘い香りに誘われて、周りの子どもたちがたちまち集まってきた。

「いい匂い……奏斗くん、それっておうちのシェフが作ったの?」小さな女の子がごくりと唾を飲み込む。

五十嵐奏斗は顎を少し上げ、クッキーを一枚つまんで差し出した。

「シェフじゃないよ。天女さんが、僕のために焼いてくれたんだ」

配られたクッキーをひと口かじった瞬間、子どもたちの目がぱっと輝く。

「なにこれ、めちゃくちゃおいしい! 高級レストランよりおいしい!」

褒め言葉を浴びて、五十嵐奏斗の口元が得意げにゆるむ。

そして彼はくるりと顔を向け、視線を人だかりの...

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