第103章

彼は即座にアシスタントへ電話をかけた。声は氷のように冷たい。

「水族館の監視カメラを洗え。5分以内に、今日、相葉栞里がそこにいたかどうか――俺に報告しろ」

3分後、折り返しが来た。アシスタントの声は強張っている。

「氷上社長、確認できました。相葉さんは確かに水族館にいます。……五十嵐琉生さんと、それから五十嵐家の坊っちゃんと一緒です。映像では、いまイルカふれあいエリアにいます」

氷上颯の呼吸が、ぶつりと荒くなる。瞳の奥で、獣じみた凶気が渦を巻いた。

――五十嵐琉生と一緒だと。

他人の子どもを連れて水族館でイルカを見ているくせに、自分の実の息子はどこかに隠し、父親である自分には嘲る...

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