第105章

「わたしが落ち着けるわけないでしょう! あの女、うちの孫をさらおうとしたのよ!」

氷上大奥様は氷上夢乃を乱暴に押しのけ、バッグからスマホを掴み出すと、相葉栞里を鬼の形相で睨みつけた。

「覚えてなさい。いま警察に通報して、あんたを逮捕させる! その毒女、牢屋の底まで座らせてやるわ!」

相葉栞里はその場から動かず、冷えきった目で大奥様の喚き散らしを見返した。余計な弁解など一言もくれてやらない。

「どうぞ。通報すればいい。今日、通報しないなら、あなたが後ろめたいってことよ」

その冷淡さが火に油だった。氷上大奥様は理性を完全に失い、指先を震わせながら通報ボタンを押す。

警察の到着は早かっ...

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