第117章

相葉栞里は鏡の前に立ち、つま先立ちになった。

鈴木瑠梨はプロ用の機材を構え、録画ボタンを押す。

音楽が流れ出す。

動きには一切の狂いがなく、体幹も揺らがない。白いドレスが回転に合わせてぱっと花開いた。

動画は編集せず、そのまま相葉栞里が新しく作ったアカウントに投稿された。

タイトルは、ただそれだけ。

【5年ぶりに】

投稿から1時間。いいねは1万を超え、コメント欄は驚きの声で埋め尽くされた。

「本物だ……あの夜の白鳥!」

「化け物すぎる」

「5年前の国際バレエコンクール優勝者、相葉栞里だ!」

熱狂の波が一気にネットを飲み込み、ダンス系の発信者たちがこぞって拡散と分析を始める...

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