第130章

 彼は彼で、トレンドを見てしまったのだと思った。彼女が耐えられないんじゃないか――そう心配してくれたのだと。

「私は大丈夫です」

 相葉栞里は声の調子を落として、宥めるように言った。

「ネットのは全部デマです。私の手元に当時の資料が残っていますし、明日には公表してきちんと説明します。先生は心配なさらないでください」

「説明? そんなもん、わざわざ君が相手する必要はない」

 瀬戸先生がふっと笑う。どこか誇らしげな響きが混じっていた。

「いいから、早く寝ろ。明日になりゃ、全部片づく」

「え、先生、それって――」

 相葉栞里が問い返すより早く、通話は切れた。

 暗くなった画面を見...

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