第131章

だが氷上颯は奥歯を噛みしめ、沸き上がる怒りを無理やり飲み込んだ。

「栞里……俺は本気で償いたいんだ。戻ってきてくれさえすれば……」

相葉栞里は、これ以上その戯言を聞く気もない。差し出された赤い薔薇の花束を、無言で受け取った。

氷上颯の目がぱっと輝く。――心が揺れた、とでも思ったのだろう。

次の瞬間、相葉栞里はくるりと背を向け、手首をひと振りした。

高価な赤薔薇は、道端のゴミ箱へと放り込まれる。

氷上颯の笑みが、ぴたりと凍りついた。

屈辱に顔を歪めた氷上颯は、相葉栞里の肩を掴もうと手を伸ばした。

一歩踏み出した、その瞬間。

どこからともなく屈強な黒服の男が二人、すっと現れて彼...

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