第132章

篠宮菜帆の顔から、貼りつけたような善人面が少しずつ剥がれ落ちていく。

相葉栞里は、息をつく隙すら与えなかった。

一歩、踏み込む。

その圧に押され、篠宮菜帆は思わず半歩、後ろへ退いた。

「それから」

相葉栞里の声は氷のように冷たく、はっきりとした警告を孕んでいた。

「あなたと栗山加奈が裏でやってる卑劣な手口、全部把握してる。篠宮家に伝えて。もう私にちょっかい出さないで。私は5年前みたいに、好きに握り潰される人間じゃない。……それでも栗山加奈と組んで騒ぎを起こすつもりなら、篠宮家ごと根こそぎ潰しても構わない」

篠宮菜帆の顔色が、完全に落ちた。

相葉栞里を睨みつけ、奥歯を噛みしめる...

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