第14章

相葉栞里は、自分がお腹に宿して産んだ子を見下ろし、見えない手に心臓をぐしゃりと握り潰され、次の瞬間にはぱっと放されるような痛みに襲われた。

「通りかかっただけよ」

声はひどく淡々としていて、感情の色はひとかけらも滲まない。

「嘘だ!」氷上辰也は目を真っ赤にして、怯えと敵意の入り混じった目で彼女を睨みつけた。「パパに付きまといに来たんだろ! 今すぐ帰れよ! 早く出てって! 友だちに見られたらどうするんだよ。こんな嫌なママがいるなんて知られたら、みんな僕のこと嫌う! 僕は加奈おばさんがママならいいんだ。邪魔しないで!」

子どもの言葉に悪気はない。

だからこそ、なおさら残酷だった。

そ...

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