第141章

五十嵐奏斗は目尻を赤くして、涙をいっぱいに溜めていた。けれど唇をぎゅっと噛みしめ、声だけは必死に堪えている。

「今夜がどれだけ危なかったか、分かってるのか?」

五十嵐琉生の視線が、すっと冷えた。

「君は自分を危険に晒した。それだけじゃない、栞里まで殺しかけたんだ。俺があと1分遅れてたら……あいつがどうなってたと思う?」

その言葉が刺さった瞬間、奏斗の堪えはぷつりと切れた。

ぽた、ぽた、と涙が落ちる。

彼は顔を背け、相葉栞里を見上げた。喉が詰まった声で、震えながら言う。

「天女さん、ごめんなさい……」

小さな手が、おずおずと栞里のコートの裾を掴む。

「ぼく、まちがえた。言うこ...

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