第144章

氷上颯の、あまりにも冷たい横顔を見た瞬間――栗山加奈は、ふっと笑い声を漏らした。

くつくつ、と。

それは次第に大きくなり、がらんとした病室に狂気じみた響きでこだました。

「出ていけ、ですって?」

栗山加奈は奥歯を噛みしめ、氷上颯をねっとりと睨みつける。瞳の奥に渦巻くのは、露骨な悪意。

「氷上颯。あんたに、そんな綺麗事を言う資格があるわけ?」

ベッドから這い起きると、彼の鼻先を指で突きつける。言葉は一つ一つ、心臓を狙って刺してくる。

「自分が被害者だとでも思ってる? 笑わせないで。あんたはただのバカよ。相葉栞里があんたに尽くしてくれるのを当然みたいに享受して、そのくせ私があんたの...

ログインして続きを読む