第15章

彼女は道端の街灯にすがりつき、歯を食いしばりながら、びっこを引いてどうにか立ち上がった。

足首はみるみる赤く腫れ上がり、おにぎりみたいに丸く膨れている。一歩踏み出すたび、刃の先を踏むような痛みが突き抜けた。

「相葉栞里。もし加奈の脚に何かあったら、お前の命で償わせる」

氷上颯は、轢かれかけた妻に一度たりとも振り返らなかった。凍てつくような脅しだけを残し、栗山加奈を抱き上げて車へ乗り込む。

黒塗りのマイバッハが土煙も置き去りにして走り去り、氷上辰也のあからさまな嫌悪の眼差しも一緒に連れ去っていった。

相葉栞里は路肩に立ち尽くし、遠ざかっていく車影を見つめながら、胸の中で最後に残ってい...

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