第155章

氷上颯は胸元を押さえ、痛みに耐えきれず腰を折った。

――三日後。

氷上グループ地下駐車場。

マイバッハから降りた氷上颯の背後へ、黒い影がいきなり飛びかかってきた。

「颯!」

栗山加奈だった。くたびれた濃色のコートに身を包み、髪は乱れ、顔色は紙みたいに真っ白だ。

警備の目をかいくぐってきたのだろう。彼女は氷上颯のオーダースーツの袖口を、爪が食い込むほど強く掴んだ。

「颯、お願い……助けて。警察が私を探してるの。もう、どこにも行けない……」

目尻を赤くして、涙はぽろぽろと落ちる。声は震え、哀れみを乞う姿勢は地面に擦りつくほど低い。

「五年よ……五年、私たち一緒だったでしょ? お...

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