第17章

幼く、それでいて刃物みたいに耳障りな子どもの声が、不意にリビングの静けさを真っ二つに裂いた。

相葉栞里は息を呑む。心臓を見えない手で鷲づかみにされたようで、血の巡りさえ止まった気がした。

受話器の向こう――氷上辰也の声には、濃い憎悪が滲んでいた。歯を食いしばった物言いは、相手が実の母親ではなく、血の海の恨みを抱く仇にでも向けるそれだ。

「加奈おばさんを突き飛ばしてケガさせたのに、それだけじゃ足りないの? ネットで人を雇って叩かせてるって、どういうことだよ! 加奈おばさん、いまも病院で泣いてるんだぞ! ご飯も食べられないんだ!」

怒りで甲高くなる声が、命令みたいに突き刺さる。

「警告...

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