第22章

骨ばった大きな手が、カップの底をしっかり支えた。

五十嵐琉生は眉をひそめ、有無を言わせず牛乳を少し遠ざける。

「手がこんな状態で、何を意地張ってるんだ」

粥の椀を取り上げると、長い指でスプーンをつまみ、くるりと二度ほど混ぜた。ひと匙すくい、そのまま自然に相葉栞里の唇元へ差し出す。

相葉栞里の全身が、ぴしりと固まった。

反射的に身を引きかける。涼やかな瞳に、不自然な色が一瞬だけ走った。耳のあたりが勝手に熱を帯びていく。

「五十嵐さん……それは……そこまでしていただかなくても。本当に、大丈夫です」

知り合ってまだ数日。雇い主と従業員の線を、明らかに越える距離感だった。

しかもこの...

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