第24章

氷上颯が、戻ってきた。

手には、包みのきれいなフルーツバスケット。スーツの上着は脱いでいて、少し着崩れたシャツ一枚だ。目の下には、隠しきれない疲労が滲んでいる。

相葉栞里の姿を捉えた瞬間、氷上颯の視線は、包帯を巻き直した彼女の手のひらと足首へ落ちた。わずかに目が揺れる。

相葉栞里は無表情のまま、彼など見えていないかのように杖をつき、脇をすり抜けようとする。

「栞里」

氷上颯が手を伸ばし、行く手を塞いだ。

冷たく削げた横顔を見つめながら、彼の声は珍しく柔らかい。まるで施しのような妥協を含んでいた。

「今日のことは……俺が短気だった。お前が、こんなにひどく怪我してるなんて思わなかっ...

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