第26章

その言葉は、鋭い刃物みたいに栗山加奈の心臓を容赦なく貫いた。

――彼は、口にしたのだ。自分の口で、認めた。

相葉栞里のことを嫌っているはずだった。彼女が栞里を追い詰めるのを黙認してきたはずだった。なのに、どうして――氷上颯の胸の中にいるのは、結局あのクズだけなの。

栗山加奈がへたり込む。脚に力が入らず、床に崩れ落ちるように座り込み、瞳は絶望の涙で滲んでいた。その姿を見て、氷上颯の胸の奥に、ほんのわずかな罪悪感がよぎる。

五年前の交通事故が蘇った。

火の粉が舞い、炎が空気を焦がすあの地獄の中で、栗山加奈は彼を外へ突き飛ばした。自分は歪んだ車体に押し潰され、両脚を失って――。

その恩...

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