第34章

「出ていけ!」

相葉栞里は鋭く怒鳴った。冷えきった瞳には、もうこれまでの忍耐も愛情も欠片すら残っていない。ただ骨の髄まで凍るような憎しみだけがあった。

「氷上颯。そんな吐き気のする面、引っ込めて。やってもいないことを、私が認めるはずないでしょ。栗山加奈に謝れですって? 寝言は寝て言って」

その頑なな態度に、氷上颯の顔色はみるみる青ざめた。胸が荒く上下する。

「いいだろう。上等だ」

氷上颯は歯ぎしりまじりに冷笑し、ハンカチで服に飛んだ水滴を拭いながら、死人でも見るような目を彼女に向けた。

「相葉栞里。そこまで意地を張るなら、こっちも容赦はしない。このままここで、警察の逮捕状を待って...

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