第41章

奏斗はくるりと振り返り、相葉栞里をじっと見上げた。幼い言葉遣いなのに、言っていることは妙に筋が通っている。

「天女さん、迷惑とか思わないで。うちのパパ、すっごく強いんだ。悪い人はパパにやっつけさせればいいの。天女さんはうちで安心してればいい。パパに頼ればいいんだよ。……行っちゃダメ!」

庇うようなその言葉に、相葉栞里の胸の奥がじん、と熱くなる。視界の端がわずかに滲んで、彼女は怪我をしていないほうの指先で、そっと奏斗の頬に触れた。拒む言葉が、すぐには見つからない。

その頃、病室の外――。

氷上颯が、戻ってきていた。

エレベーターの前まで行ったはずなのに、頭から離れなかったのは、五十嵐...

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