第44章

相葉栞里は胸のど真ん中を大槌で叩き潰されたみたいで、息が詰まった。鈍い痛みが広がり、うまく呼吸ができない。

目の奥が一瞬で熱くなる。押し寄せたのは、反射的な怒りでも憎しみでもなく――圧倒的な罪悪感だった。

反撃すること。氷上颯と栗山加奈に報復すること。

そればかり考えていたせいで、この大騒ぎの世論が、無関係な子どもを巻き込むのは避けられないと、彼女は見落としていた。

氷上颯は栗山加奈を守るためなら、ネット中に自分が「極悪の毒女」として作り上げられるのも構わなかった。けれど、その代償を、実の息子が外でどう背負わされるかまでは考えもしなかったのだ。

「辰也、怖がらないで。ママは悪い人じ...

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