第61章

五十嵐奏斗は少し離れた場所で二人のやり取りを聞きながら、つややかな黒い瞳をくるりと泳がせた。

天女さん、離婚するの?

それってつまり――これからは、あの悪い子のママじゃなくなるってこと?

団子ちゃんはこっそり小さな拳を握りしめ、胸の内でぱあっと花が咲いたみたいに浮き立った。

天女さんが離婚したら、ぼくがもっともっと頑張る。天女さんに、ぼくのママになってもらうんだ!

翌朝。

朝日が大きな窓から寝室へ差し込み、白い光が床を淡く照らしていた。相葉栞里が身支度を終えると、ベッドサイドに置いたスマホがぶるぶると震えた。

画面に浮かんだのは、氷上颯の名前。

相葉栞里は鼻で笑い、通話ボタン...

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