第64章

「この証拠、橋本弁護士なら気に入るはず」

相葉栞里はそう呟くと保存を押し、動画をそのまま弁護士へ送信した。

氷上颯が婚姻中にもかかわらず栗山加奈と公然と関係を匂わせている――法廷で相手を追い詰めるには、これ以上ない決定打だ。

それから間もない週末。空はすっきり晴れ渡っていた。

このところ離婚の件で走り回っていた栞里を気遣い、親友の鈴木瑠梨が「息抜きしよう」と市中心部のショッピングモールへ連れ出した。

「栞里、いい加減外の空気吸いなよ。氷上家のくだらない揉め事は弁護士に丸投げ。今日はね、買い物、全部私が払う。遠慮なしで買い倒すよ!」

瑠梨は栞里の腕にがしっと絡みつき、豪快に言...

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