第67章

相葉栞里はスマホを握り潰すように力を込めた。指の関節が、痛々しいほど青白く浮き上がる。

氷上颯は本気だ。鈴木瑠梨を餌にして、彼女の心を削り、完全に壊しにきている。

追い詰められた脳裏に、五十嵐琉生の――深く冷えた、揺るがない眼差しがよぎった。

このH市で、氷上颯の手元から人を引き抜けるとしたら。五十嵐琉生しかいない。

相葉栞里は連絡先を呼び出し、発信ボタンに指をかけた。

その瞬間、ぶる、とスマホが震えた。

見知らぬ番号からのメッセージ。

画面を開いた途端、瞳孔がきゅっと縮む。全身の血が、一瞬で凍りついたようだった。

薄暗い、古びた倉庫。

鈴木瑠梨が、ざらついた麻縄で乱暴に縛...

ログインして続きを読む