第79章

「……あの子に、何を食べさせたの?」

相葉栞里の声は氷みたいに冷たく、余計な言葉が一切なかった。

「え、えっと……エビのスープ。加奈が、エビのスープを作って……」

「エビは重度アレルギーよ! 今すぐ病院の救急へ!」

言い捨てるようにして、栞里は通話を切った。

運転席の五十嵐琉生は、理由を尋ねることすらしない。

ハンドルを切り返し、黒いSUVは車の流れをこじ開けるように走り、市立病院へ突っ込んだ。

市立病院、救急外来。

氷上颯は氷上辰也を抱えたまま処置エリアへ駆け込む。

当直医がすぐに対応し、全身の蕁麻疹と喉頭浮腫を確認した瞬間、顔色を変えた。

「アナフィラキシーショックだ!...

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