第9章

「――なるほど。栗山加奈に贈ったのね」

 栗山加奈は、ハート形のピンクダイヤにそっと指先を滑らせた。唇の笑みはいっそう深くなる。隠そうともしない見せびらかしと、勝ち誇った得意げな色。

「颯が、少し前にどうしてもって贈ってくれたの。私が着けると似合うんですって。こんなに高価なもの、申し訳ないって思ったんだけど……颯ったら、君が気に入ってくれるならそれでいい、って」

 そう言って栗山加奈は相葉栞里を見上げた。瞳にあるのは完全に勝者の顔。取り乱し、嫉妬に駆られ、みっともなく取り乱す姿を今か今かと待ち構えている。

 だが、相葉栞里はただ静かに彼女を見つめていた。栗山加奈が思い描いていたような...

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