第102章

いつまで経っても返答を寄越さない林田知意に、痺れを切らした男の忍耐は限界に達しつつあった。

彼は佐藤グループの社長、佐藤聡だ。彼こそが佐藤グループそのものと言っても過言ではない。

通常なら、彼がプロジェクトを提示すれば、進捗など度外視してでも我先にと契約を迫る企業が山ほどある。ましてや今回の案件、盛田会社と提携すれば、相手方にもたらされる利益は莫大なものになるはずだ。

彼女が自分を嫌っていることは知っている。だが、まさかこれほどの利益を目の前にして、私情を優先させるとは思わなかった。

彼女は盛田グループ本社のマネージャーではなかったか? すべては会社の利益を最優先に動くべきではないの...

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