第133章

神栄幸治はPC画面に噛り付き、目にも止まらぬ速さで指を走らせていた。キーボードからはパチパチという乾いた打鍵音が絶え間なく響く。

林田知意は一目見て悟った。彼はソフトウェア分野において相当な手練れだ。勝負となれば、当然自分が得意とするフィールドを選ぶだろう。

だが、彼女に焦る様子は微塵もない。ゆったりとした動作でノートPCを開くと、自社のシステムにログインした。

佐藤聡の後ろに控える高橋契は、張り詰めた空気の中で一同の顔色を窺っていた。一見すれば単なる技術比べだが、事の重大さは社内の人間だけが知っている。

林田知意がこの攻撃を防ぎきり、自社ソフトを守り抜けば問題ない。

だが、万が一...

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