第137章

本来、北村南は林田知意の実力を誰よりも理解している。彼女にとって、個人の身辺調査など造作もないことだ。だが、その彼女が一晩中かかりきりになったとなれば、話は別だ。

「いくつか手掛かりは見つけたけれど、まだ確証がないの。だから、葉田さんにはまだ言わないで」

確信の持てない情報を、林田知意は滅多に口外しない。

彼女は一瞬ためらい、北村南に視線を向けた。

「北村南、午前の仕事の進み具合はどう? もし段取りがついているなら、ちょっと付き合ってほしい場所があるの」

昨日掴んだ手掛かりを、どうしても検証する必要があった。

最近、盛田会社の業務は多忙を極めているが、林田知意の頼みとあらば北村南...

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