第148章 君のお父さんは背が高い

たとえそれが病院の敷地内であり、遠出などできるはずもなかったとしても、自由にとってはかけがえのない幸せなことなのだろう。

林田知意は、娘のそんな小さな企みなどお見通しだった。食欲がないと言い出したときから、勘づいていたのだ。

「分かったわ。お母さんも一緒に行くから」

三人は一階へと降りた。自由の傷に障らないよう、佐藤聡は娘を自分の肩車に乗せることにした。

他の子供なら生まれたときから当たり前に受けている愛情を、自由は今ようやく知ることができたのだ。佐藤聡の胸には、ずっと消えない負い目があった。

自由は、顔をくしゃくしゃにして満面の笑みを浮かべた。ただでさえ背の高い父親の肩に乗ったこ...

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