第152章 他人の子を育てるのが好き

「本当なの?」

「もちろんです、佐藤奥様。最近、会社で大きなプロジェクトが動き出したではありませんか。佐藤社長はその件でずっと奔走されているんですよ」

 他の人間が言ったのなら、佐藤恵子は多少なりとも信じたかもしれない。だが、高橋契の口から出た言葉となると、どうしても疑念が拭えなかった。

 彼女はよく知っているのだ。高橋契という男が佐藤聡の腹心であり、たとえ自分が「佐藤奥様」であろうとも、彼を脅して言いなりにさせることなどできないと。

「分かったわ。仕事に戻りなさい」

 佐藤恵子はそう言い捨てると、佐藤聡のオフィスへと歩き出した。帰る気配のない彼女の背中を見て、高橋契は瞬時にマズい...

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