第178章 あなたも例外ではない

 外では十分、あの男に合わせてやったほうだ。もう周りに他人なんていないのに、どうして彼に笑いかけてやらなきゃいけないのか。

 佐藤聡は、自分のしていることがどれだけ図々しいか、少しも分かっていないのだろうか。

「もう一回言ってみろよ」

 佐藤聡の声音が、すっと冷えた。別に林田知意が大事じゃないわけじゃない。ただ、あの女が他人に向ける笑顔が、どうしようもなく癪に障るだけだ。

「わ、たしは……んっ……」

 言葉を紡ごうとした唇は、次の瞬間、乱暴なまでの強さで塞がれる。彼のキスはいつだって熱くて、いつだって一方的で、いつだって罰のようだった。

 感情なんて、とっくに抑えきれない。林田知...

ログインして続きを読む