第192章 ニュースはデマではない

傍目には優雅に寛いでいるように見えるが、その実、彼女の氷のような冷徹な瞳は虎視眈々と周囲の動向を窺っていた。

現在、彼女の手元にある情報は、益富慎に手を上げたあの男の容姿だけだ。

それも調査資料に残っていたのは横顔のみ。だが、それでも構わない。その男がこの場に現れさえすれば、林田知意は即座に見破る自信があった。

宴会場は今、目も眩むような煌びやかな光に包まれている。シャンデリアの瑠璃が五色の光暈を乱反射させ、着飾った招待客たちが放つ豪奢な雰囲気が満ち満ちていた。

シンプルなイブニングドレスを身に纏った林田知意は、何気ない素振りで会場を歩き回っては、ワイングラスを片手に群衆の中へ鋭い視...

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