第196章 いつでも教えるよ

「林田社長。もしかしてですが、この部屋の中にさらに隠し部屋がある、なんて可能性はありませんか?」

 北村南は傍らで二人の会話を聞いていた。先ほどの状況から推測するに、あの得体の知れない連中なら、部屋に隠し扉の一つや二つ、仕掛けていても不思議ではない。

 その言葉に、林田知意はハッとした。相手の狡猾さは、自分の想像を遥かに超えているのかもしれない。

 彼女は視線を傍らの南風順へと向けた。

「南風順。さっきドアの前に立っていた時、中に隠し部屋のような気配は感じなかった?」

 南風順は首を横に振った。先ほどの男は凶悪な雰囲気を纏っており、下手に覗き込んで相手を刺激したり、藪蛇(やぶへび)...

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