第197章 度胸があるならもう一度言え

佐藤聡の顔色が優れないのを見て、林田知意は顔を背け、密かにほくそ笑んだ。なぜだか分からないが、この男が不機嫌になると、彼女の気分は上向くのだ。

林田知意は顔を逸らしていたものの、その些細な仕草は佐藤聡の目から逃れられなかった。

佐藤聡は苛立ちを覚えた。彼がこれほどまでにコケにされたことが、かつてあっただろうか?

怒りを抑えきれず、彼は林田知意の手首を掴むと、大股で歩き出した。

林田知意は彼の手を振りほどこうともがきながら、焦燥に駆られて問い詰める。

「佐藤聡、何をするつもりですか? 放してください」

林田知意は眉をきつく寄せた。この男は一体何を考えているのか。ここは宴会の会場であ...

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