第201章

林田知意は慌てて北村南の元へ駆け寄り、そこで初めて多根洋の姿をまじまじと確認した。調査資料の写真と瓜二つだが、実物は写真よりも幾分か小太りに見える。

「北村、急いで。三階は敵だらけよ。こいつらは倒したけれど、すぐに他の連中が追ってくるわ」

林田知意がそう告げるや否や、北村南は多根洋を鷲掴みにして走り出し、南風順が殿(しんがり)を務め、追っ手との乱闘を繰り広げる。

多根洋は抵抗を続け、地面に這いつくばりながら必死に腕を振り回していたが、林田知意の姿を認めるなり、その顔色をさらに悪くした。

「このアマ、てめぇの差し金か! お前、『竜鱗会』の何様だ? なんでこんな真似しやがる! タダで済む...

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