第203章 どこを怪我したのか

先ほど佐藤聡に腕を強く引かれた拍子に、傷口が引き攣れたのだ。林田知意は蒼白な顔色で、激痛を必死に堪えながら佐藤聡と対峙していた。

今の林田知意の態度は氷のように冷ややかだったが、佐藤聡はそれを全く意に介さなかった。彼の意識の全ては、この女が怪我をしているのか否か、その一点に注がれていたからだ。

彼は険しい表情で林田知意の行く手を塞ぐと、深刻な声音で問い詰めた。

「一体どうしたんだ? 怪我をしているのか?」

言うが早いか、佐藤聡は周囲の視線などお構いなしに手を伸ばし、林田知意の身体を調べて怪我の有無を確認しようとする。

林田知意はぎょっとして、慌てて二、三歩後ずさった。

(この男は...

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