第217章 説明することはない

佐藤恵子は、佐藤聡の言葉が回を追うごとに冷酷さを増していることに、少なからず動揺していた。汚名返上とばかりに食い下がろうと一歩踏み出したが、佐藤聡の氷のような眼差しに射抜かれ、足がすくむ。

「二人とも、さっさと消えろ。俺をこれ以上怒らせるな」

佐藤聡が本気で腹を立てればどうなるか、佐藤恵子も身に沁みて理解している。その凄みに気圧され、彼女は渋々といった様子で田中ひなの手を引くと、不本意ながらもその場を後にした。

車に乗り込むや否や、佐藤恵子は田中ひなのご機嫌取りに必死になる。

「ひなちゃん、安心して。伯母さんがついてるから。聡との婚約話は必ず進めるし、絶対にあなたに損はさせないわ」

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