第218章 もう昔には戻れない

この男と肌を重ねるたび、身体は意思を裏切って崩れ落ち、彼の手のひらで踊らされるだけの存在に成り下がってしまう。

林田知意は、そんな抑制の効かない自分が疎ましくて仕方なかった。だが、この男に抗う術を彼女は持っていない。

佐藤聡の体温は灼熱と化し、まるで暖炉のように彼女を焦がしていく。冷たいはずの薄い唇さえ、今は熱を帯びていた。

「ん……っ……」

林田知意の唇から、意図せず甘い声が漏れる。その響きは、佐藤聡を情欲の淵へと誘うには十分すぎた。

燃え上がる欲望に、佐藤聡の瞳が妖しく揺らぐ。もしここが屋外でなかったなら、彼は間違いなくこの女を組み敷き、己のものにしていただろう。

「佐藤聡…...

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