第250章 避けようにも避けられない

佐藤聡はベッドに上がることなく、傍らの椅子に腰掛けたまま、一晩中静かに彼女に寄り添っていた。

夜が白み始める頃になって、ようやく微睡みに落ちた。

再び目を覚ました時、隣にいるはずの林田知意の姿はすでになかった。

佐藤聡は驚いて飛び起きた。あれほど深く眠り込んでいたとは。林田知意が起き上がる物音すら全く気づかなかったのだ。

「知意……知意……」

病室を飛び出し、廊下を歩きながら大声で名を呼ぶ。心臓が口から飛び出そうになるほど焦っていた。

「ここにいますよ。何をそんなに大声を出しているんですか」

佐藤聡が慌ただしい足取りを止めて振り返ると、すぐ背後に林田知意が立っていた。

「ここ...

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