第258章 医療実験室

男がくるりと背を向けて部屋の奥へ引っ込んでしまい、完全に無視された形になった佐藤恵子は、途端に慌てふためいた。

「そうですよ、おば様。今はお願いする立場なんですから、あまり目くじらを立てない方が……」

隣にいる田中ひなも焦りを感じていた。彼女は今日、この機会を利用して横塚昌利とお近づきになろうと目論んでいたのに、まさか門前払いされるとは思いもよらなかったのだ。

そんな言葉を聞いて、佐藤恵子はばつが悪そうな顔になり、先ほどの横柄な態度はすっかり消え失せた。

「わかったわよ、あの男に謝ればいいんでしょ。まったく、これも全部息子のためなんだから。ただ少しばかり医術の心得があるってだけで、あ...

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