第259章 何が食べたい

そう言い捨てるや否や、横塚昌利はくるりと背を向け、寝室へと歩み去っていった。

高橋契は地団駄を踏むほど焦り、佐藤恵子に対する先ほどまでの恭しい態度すら投げうって声を荒げた。

「佐藤奥様、田中さん、とにかく早くここから出てください! ここにいても何の役にも立ちませんし、どうしてそこまでして社長に会おうとするんですか。今ここで頑なに居座るなんて、社長の命を危険に晒しているのと同じですよ」

佐藤恵子はすっかり狼狽し、田中ひなの腕をぐいと引いた。

「ひなちゃん、心配なのはおばさんにもよく分かっているわ。でも、外で待ちましょう? 聡の今日の治療が終われば、入り口で一番に顔が見られるから」

「...

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