第268章 忙しくて手が回らない

林田知意は、こんな女を相手にするのは時間の無駄だとすら感じていた。

『どうして私がこんなのと張り合う必要があるの?相手にするだけ自分の品格が下がるわ。演技が好きなら、黙って見物させてもらえばいい』

田中ひなのこの常套手段は今に始まったことではない。だからこそ、今の林田知意はもはや彼女を相手にする気すら起きなかった。

場の空気が酷く気まずくなり、間に挟まれた二ノ宮社長は困り果てていた。

彼は愛想笑いを浮かべ、必死に話題を振ってその場を丸く収めようとした。

「今回のパーティーのケーキ、なかなか美味しいみたいですね」

その言葉を聞き、田中ひなは気付かれないよう彼を冷たく睨んだ。一体誰が...

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